Katmai National Park & Preserve(カトマイ国立公園・国立保護区) 内の
Kukaklek Lake(クカクレク湖)に発し、西に流れ、
Kvichak River(クウィージャック川)と合流し、最終的には
Bristol Bay (ブリストル湾)に注ぎ込む川がある。地元でBranch River(支流)と呼ばれる川は、人の手が全く入っていない自然の中をひたすら流れる川である。議会は、この
Alagnak River(アラニャック川)を保護するために、85マイル(137km)のうち、その上流部分67マイル(108km)をWild River(原生河川)に指定し、国立公園ユニットに追加した。
アラニャック川は、クカクレク湖を発して最初の6マイル(9.5km)ほどはツンドラの低地の中をゆっくりと流れる。川は次第に細くなり、流れは勢いを増し、
The Canyon(11.5kmから23km地点)と呼ばれるシロトウヒの木に囲まれた峡谷をすり抜けていく。
Nonvianuk River(ノビアヌク川)との合流地点に差し掛かると川は広がり、ゆっくりと流れるようになる。35km地点を過ぎると川には中州が多く見られるようになる。
50km地点を過ぎると、川は何本もの糸が編みこまれたように交差しながら流れていく。89km地点まではどこをどう辿ればうまく進めるのかわからないほど複雑に複数の流れが入り込む。アラニャックとは、「間違いを犯す」という意味だそうだ。原住民たちもどちらに向かってよいのかわからなかったのだろう。流域には、観光用の宿泊ロッジが所々点在するほか、かつて狩りを行った人たちが使っていた小屋の跡が残っている。89km地点から後は、縺れていた糸が解れるようにいつかの太い筋になり下流に流れていく。
小屋跡
アラニャック川を訪れる人は、ラフトなどで川を下る他は、釣り人がほとんどある。アラニャック川では太平洋から5種類のサケが遡上してくるほか、ニジマス、
ホッキョクイワナ、
grayling 、
northern pike(カワカマス)などの魚も豊富だ。アラニャック川を支流に持つクビチャック川はブリストル湾に注ぎ込むが、ブリストル湾はアラスカ屈指のサケの漁場である。遡上するサケを狙うのは、釣り人ばかりではなく、グリズリーベアーもそうである。ここで釣りをする場合には、グリズリーベアーに注意しなければならない。
私たちがアラニャック川の川辺に降り立ったとき、静けさの中、時おりサケが飛び跳ねていた。遡上の時期になると、アラニャック川の川面を真っ赤なサケが埋め尽くし、全米で最も交通混雑する場所になるそうだ。
なお、クマ対策については、
Katmai National Park & Preserve(カトマイ国立公園・国立保護区)を参照のこと。
使用したエアタクシー:
Branch River Air Service
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)(PDF)