アリゾナのTucson(トゥーソン)の街には、1939年に西部劇を撮影するために建てられたOld Tucson Studio(オールド・トゥーソン・スタジオ)があり、トゥーソン近辺はまさに西部劇撮影に最適の風景がある。ここではOK牧場の決闘、リオブラボー、エルドラドなどの有名な西部劇が撮影された場所である。西部劇には、ソンブレロとサボテンがつきものと(勝手に)思っているが、西部劇を見ると、拳銃をつきつけられた男が手を挙げているような形のサボテンを見たことはないだろうか。
これがSaguaro(サワロ)サボテンで、Saguaro National Park(サワロ国立公園)は一面サワロ・サボテンだらけの公園である。
サワロ国立公園は、西地区と東地区に分かれており、ちょうどトゥーソンの街をサワロ国立公園がはさむような形になっている。ここで西部劇の撮影が行われるのもうなづける場所である。
* サワロ国立公園は、1994年10月14日にNational Monument(国定公園)から国立公園に格上げされた。
このサワロ・サボテンは、アリゾナ州南部、カリフォルニア州南部、メキシコ・ソノラ州一帯にのみ生息するサボテンである。サワロ・サボテンは非常に長生きで、175歳から200歳に達する。数多くの種を産出し、その数は生涯に4,000万を数えるという。その成長はゆっくりで花が咲き実を結ぶまでには30年くらいかかる。そして、腕の部分は、75歳くらいにならないと生えてこない。こうしてゆっくり大きくなるが、100歳くらいになると7.5mの高さになり、150歳以上になると、中には高さ15m、重さ8トンにまで育つものもある。こうなるとサボテンというより、むしろ
樹木に近い感じがする。
この乾燥した土地では樹木が育たないため、サワロ・サボテンが樹木の代わりに大きく育っている。鳥たちもこれを受け入れて、よくキツツキなどが、サワロ・サボテンの幹に穴を開け、巣を作って住んでいる。また
サワロ・サボテンの実は、古くからこの辺りに住む原住民や動物の貴重な食料源となってきた。
サワロ・サボテンの花
東地区には、Cactus Forest Loop Drive(サボテンの森周回ドライブ)と呼ばれる8マイル(13km)の周回道路が整備されている。この道路は舗装されているため、これを周れば、容易にサワロ・サボテンを観察することができる。私たちもこれを利用した。
サボテンの森周回ドライブより
もっとワイルドな方をお望みであれば、西地区に行き、6マイル(9km)のダート・ロード、Bajada Loop Drive(バハダ周回ドライブ)を周るとよい。こちらの方が西部劇の主人公になったような感じがするかもしれない。
バハダ周回ドライブより
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)
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ここできれいなサボテンの写真を見ることができます。