シナグア族の遺跡は、アリゾナ一帯に点在する。
モンテズマ、
ツジグート、
ウパットキに並び、Walnut Canyon National Monument(ウォールナット峡谷国立遺跡)もその一つである。この遺跡は、これまで訪れた遺跡と異なり、峡谷の崖の窪地に建てられた
プエブロ式住居である。この地域の断崖には、移住性の民族が季節的に居住した痕跡が残っている。600年ごろにシナグア族が現れた。当初は竪穴式住居に居住していたが、12世紀頃にはプエブロ式の堅固な住居に変化した。シナグア族は、ウォールナット峡谷には1150年ごろ移動してきて断崖に住居を築いた。それから150年程度、この住居は使用され、13世紀には、他の地域と同様に、シナグア族は姿を消している。
ウォールナット峡谷
シナグア族は、狩猟を行うと同時に、農業も営むため、水が重要である。ウォールナット峡谷の谷底にはウォールナット・クリークが流れており、農業に必要な水を提供した。彼らは、とうもろこし、豆類、スカッシュなどを栽培したという。この辺りには野生の食物も豊富で、ぶどう、ベリー類、ユカ、胡桃なども採取することができた。また、この断崖を利用して鹿やビッグホーン・シープなどを捕獲していたようだ。
Rim Trail(リム・トレール)とIsland Trail(アイランド・トレール)の2種類のトレールが用意されている。リム・トレールは。0.7マイル(1.1km)で崖の上から遺跡を見学するコースで、アイランド・トレールは0.9マイル(1.4km)で、崖を下っていって
遺跡を見学するコースとなっている。
遺跡
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)PDFです。