Yosemite National Park(ヨセミテ国立公園)は、アメリカの国立公園で番付があれば、必ず3役には間違いなく選ばれるであろう。年間350万人以上の人が訪れるアメリカの国立公園の中でも最も人気のある公園の一つ。シエラネバダ山脈の真っ只中にそびえる灰色の巨岩、Merced River(マーセド川)で切り込まれた緑深き峡谷、ヨセミテ峡谷、まるで巨人が大なたで半分に切り落としたようなHalf Dome(ハーフドーム)、岩の高みから糸を引くように垂直に落ちる数々の滝、美しい草原、湖、小川、森林、野生動物は多くの人々を魅了してやまない。半日なら半日、1日なら1日、1週間なら1週間の過ごし方がある。
5億年前、シエラネバダの地方は太古の海の底であった。海の底で砂、泥などが堆積し、堆積岩を形成し、その後、地殻の上昇に伴い地表に隆起した。堆積岩に下からマグマが侵入し、マグマが地下でゆっくりと冷え、花崗岩などの火成岩を形成した。このマグマの活動は、一説によれば1.3億年かけて断続的に生じたと言われている。その後、地表を覆っていた堆積岩が浸食活動により、姿を消し、6,500万年前頃には、その下に形成された火成岩が顔を出すようになった。ヨセミテの複雑な岩の姿は、マグマの侵入が何度も重層的に繰り返されたためである。2,500万年前に低地が南西に傾き、この地方を流れる水域も急傾斜となり、谷を削っていった。氷河期の氷が石にさらに磨きをかけ、シエラネバダの山々に荒々しさを加えている。
Olmstead Point(オルムステッド・ポイント)より
ヨセミテ国立公園の中心は、ヨセミテ峡谷である。何日か過ごすのであれば、ここに宿をとり、活動の基地としたい。ヨセミテ峡谷からは、有名なハーフドームを眺めることができ、Yosemite Fall(ヨセミテ滝)もすぐ近くにある。峡谷内の移動は、シャトルバスに限られているので、これを活用しながら、
Bridalveil Fall(ブライダルベール滝)など近くの滝を訪ねて歩くとよい。ヨセミテ滝は、水が落ちる真下近くまで近づくことができる。
ヨセミテ滝
ハーフドームを見学するには、ヨセミテ峡谷を見下ろす高台にあるGlacier Point(グレーシャー・ポイント)まで出かけよう。グレーシャー・ポイントから見るハーフドームは、絵に描いたような景色で、合成写真で背景に使う景色のように均整がとれている。
グレーシャー・ポイントから見たハーフドーム
グレーシャー・ポイントから右手に目を移すと、Vernal Fall(バーナル滝)、Nevada Fall(ネバダ滝)を眺めることもできる。
ネバダ滝
急傾斜の岩肌は見ている者を圧倒せずにはいられない。時間があれば、トレールを歩き、美しいシエラネバダの風景を満喫したい。
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)(PDF)
ヨセミテのきれいな写真は、
ここで見ることができます。