日付は、Jul.2, '94となっている。
世界で最も巨大な生物といえばシロナガスクジラを思い浮かべるが、クジラよりもはるかに大きな生物がカリフォルニア州シエラネバダ山脈の中に息づいている。Giant Sequoia Trees(セコイアの木)は、巨木中の巨木で世界最大の生物だ。Sequoia National Park(セコイア国立公園)の中で最も大きなGeneral Serman Tree(シャーマン将軍の木)は、高さ275フィート (83 m) 、直径36.5フィート (11 m)、幹の周り109 フィート (33 m) 、体積52,500立方フィート(1,487 立方メートル)、重さ1,400トンもあり、重さではクジラ15頭分もある。1年で60フィート(18m)の木と同じサイズだけ大きくなっている。
この世界最大の生物セコイアの木は、シエラネバダ山脈の西側、高度5,000フィート(1,500m)から7,000フィート(2,100m)にしか生息しない。1年に2,000程度の実をつけるが、卵サイズで木の大きさからすれば小さい。実はすぐに落ちることなく20年もの間、木に附属したままとなっていることもある。発芽は山火事が起きた後などにしか生じない。山火事によって実が乾いて開き、種を放出する助けになる。また、他の植物の灰はセコイアの生育に必要な栄養分となる。セコイアの木は長命で、シャーマン将軍の木は、2,300年から2,700年程度生息していると推定されている。分厚い樹皮とタンニンの多い成分のため、山火事、害虫やかびなどから身を守ることができるため、セコイアは長命を保つことができる。山火事はむしろ下草を除去し、土壌のミネラルを豊富にするため、セコイアの生育の助けとなっている。自然では20-50年のサイクルで山火事が起きており、人為的に消火することはかえってセコイアのような巨木の生育を妨げることとなるため、国立公園局では山火事をコントロールするものの人為的な消火はしない方針をとっている。むしろ最大の脅威は、自分で自分を支えることができなくなることで、倒木が第1の死亡原因になっている。
このような巨木は林業界から見ればかっこうの伐採対象となる。
John Muir(ジョン・ミューア)らの努力により、セコイアの林が国立公園に指定されたのは1890年のことで、アメリカの国立公園で2番目に古い国立公園となっている。セコイアの名前は、チェロキー族の文字を発明したSequoyah(シクワーヤ)に由来していると言われている。
セコイア国立公園には西側からしかアクセスすることができない。カリフォルニア180号線及び198号線は園内を南北に走るGenerals Highway(将軍ハイウェイ)につながっている。険しい山道を曲がりくねりながら登っていくと、Giant Forest(ジャイアント・フォーレスト)に到達する。ジャイアント・フォーレストには、車が乗っかることができたAuto Log(オート・ロッグ)や車で通り抜けることができるTunnel Log(トンネル・ロッグ)があり、車よりも大きなセコイアの倒木に驚く。
オート・ロッグ
トンネル・ロッグ
有名なシャーマン将軍の木もジャイアント・フォーレストの中にあり、自分の大きさと比べてみよう。
シャーマン将軍の木
シャーマン将軍の木の近くには、Congress Trail(議会トレール)というトレールがあり、ここを歩くとThe House Trees(下院の木)、The Senate Trees(上院の木)などの様々な名前のついたセコイアの木を見ることができる。
下院の木
上院の木
この公園には所々に名前のついた巨岩がある。中でも一番人気が高いのはMoro Rock(モロ岩)と呼ばれる巨岩である。この岩には登ることができるので登ってみよう。ここから眺めるシエラネバダの景色は壮観だ。この他にもTunnel Rock(トンネル岩)、Hospital Rock(病院岩)、Beetle Rock(ビートル岩)、Hanging Rockなど様々な名前のついた岩がある。
モロ岩
トンネル岩
園内の山道を奥深く入っていくとCrystal Cave(クリスタル洞窟)という洞窟を夏の間のみ見学することができる。通常の洞窟は石灰岩の洞窟であることが多いが、この洞窟は大理石の洞窟となっている。ビジターセンターでチケットを購入する必要がある点に要注意だ。
クリスタル洞窟
園内にはMeadowと呼ばれる草原や滝などに通じるトレールが多く整備されている。とりわけジャイアント・フォーレストの近くにあるCrescent Meadow(クレセント草原)は手ごろな距離なので人気のある場所となっている。
クレセント草原
これらのトレールで物足りない人は、Mineral King(ミネラル・キング)地区を訪れてもらいたい。ここはシエラネバダの山々に向かう人たちのゲートウェイとなっており、3000mを超える標高を伝うトレールが用意されている。チャレンジに見合う風景が待っている。
Monarch Lake(モナーク湖)
Crystal Lake(クリスタル湖)
なおセコイア国立公園には多くのブラックベアーが生息している。早朝のドライブやハイキングでは彼らに出くわすことも珍しくないので、注意が必要だ。
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)(PDF)