アーチズ国立公園に続き、橋(Birdges)をテーマにした公園。Natural Bridges National Monument(ナチュラル・ブリッジズ国定公園)は、その名前のとおり、自然が造形した3つの石の橋を中心に据えた公園である。しかし、その成り立ちは、アーチズとは異なる。
ここは2億6千万年前の白浜のビーチの砂が堆積して固められた砂岩が基礎となっている。このためアーチズの橋は赤褐色なのに対して、ナチュラル・ブリッジズは白っぽい色をしている。なお、ビーチの砂でできた地層には、波の作用により生物の死骸は破壊され、化石が残らないそうだ。その後の浸食のプロセスも異なる。アーチズでは岩の隙間に水分が入り込み、これが凍って丁度楔を打ち込むようにして岩を砕いていったのに対して、ナチュラル・ブリッジズは蛇行する川の流れが岩壁を削っていき、ついには穴が開いてしまったものである。このため、浸食が進めば、穴は大きく広がっていき、最終的にはブリッジは崩れてしまう。それまでの地球史的には束の間の間を私たちは楽しめるわけだ。
通常この手の橋を見に行こうとすると、トレールを延々と歩かなければならないことが往々にしてあるが、ここでは簡単に、しかも3つも規模の大きな橋を見ることができる。9マイル(14km)のBridge View Drive(ブリッジ見学ドライブ)を周るとSipapu(シパプ)、Kachina(カチナ)、Owachomo(オワチョモ)の3つの橋に出会うことができる。
シパプ橋は、世界で2番目に大きな自然にできた橋である。ちなみに一番大きな自然にできた橋は、国定公園にもなっている
Rainbow Bridge(レインボー・ブリッジ)とのこと。シパプとは、ホピ族の神話で死後の世界への通路として出てくる。
シパプ橋
カチナ橋は、3つの橋の中では最も若い橋で、従って橋げたの部分が最も分厚い。カチナとは、ホピ族の言葉でダンサーを意味する。
カチナ橋
最後のオワチョモ橋が3つの橋の中で最も古い。従って橋げたの部分が最も細い。オワチョモとは、盛り上がった岩を意味する。オワチョモ橋が3つの中で最も美しい橋だろう。いずれの橋にも近くまでアクセスできるトレールが整備されているので、時間がある人は、近くまで歩いて見よう。
オワチョモ橋
また
アナサジ族の断崖住居遺跡である
Horsecollar Ruin(馬の首輪遺跡)を望むトレールもある。住居の窓が馬の首輪の形をしていることから、名前が付けられたそうだ。
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)(PDF)