ジョージ・ワシントン記念パークウェイからアクセスする国立公園ユニットがいくつかある。まずは、第26代大統領セオドア・ルーズベルト大統領に捧げられているTheodore Roosevelt Island(セオドア・ルーズベルト島)である。ポトマック川に浮かぶこの島とそれに続くLittle Island(小島)の88.5エーカー(35ha)は、ジョージ・ワシントン記念パークウェイの事務所によって管理されているが、特定の大統領に捧げられているため、他の大統領記念碑と同様に独立の国立公園ユニットとして数えられている。
セオドア・ルーズベルト島
この島の歴史は古く、原住民が漁業をするキャンプに使用していた痕跡が残っている。イギリス国王チャールズ1世がメリーランドの祖ボルティモア卿に植民地特許を与えた際には、この島はMy Lord’s Islandと呼ばれていた。その後1792年に合衆国憲法のモデルとなったヴァージニア憲法の祖である
George Mason(ジョージ・メーソン)がこの島を買い取り、死後その息子John Mason(ジョン・メーソン)に譲られ、ジョン・メーソンはここにレンガ造りの家を建てた。メーソン家は川の流れが悪くなったためここを1831年に放棄し、その後はピクニック・エリアとして使用された。南北戦争時には、北軍の兵士の訓練場として使用された。
メーソン邸跡
島はその後Washington Gas Light Company(ワシントンガス灯会社)が所有したが、そのまま放置されていた。1931年にTheodore Roosevelt Memorial Association(セオドア・ルーズベルト記念協会)が島を買い取り、自然を愛したセオドア・ルーズベルト大統領を記念して市民の憩いの場として維持されるよう連邦政府に寄贈した。セオドア・ルーズベルト記念協会は
オルムステッド兄弟を雇い、ランドスケープを施した。Eric Guflerが公園のデザインを手がけ、Paul Manship(ポール・マンシップ)がルーズベルトの彫刻を手がけた。公園は1967年10月27日、セオドア・ルーズベルト大統領生誕109周年の日に献呈された。
ルーベルト島へのアクセスは、ジョージ・ワシントン記念パークウェイの北に向かうレーンのみからアクセスが可能である。反対側のレーンはアクセスができないので注意が必要である。駐車場から橋を渡って島にはアクセスするが、島には散歩用にいくつかのトレールが整備されている。セオドア・ルーズベルト大統領は、自然保護に力を入れた大統領として知られている。その任期中に、5つの国立公園、18の国定公園、150の国有林、51の鳥類保護区などを指定し、Forest Service(森林管理局)を設立したことで知られている。また、ハンティングの際に部下が熊を木に縛りつけ、大統領の獲物にしようとしたところ、抵抗できない動物を殺すのは卑怯なことであるとして熊を逃がした。このニュースに端を発して、大統領の愛称であったTeddy(テディー)の名前をとった熊のぬいぐるみ、テディー・ベアーは今も多くの人々に愛されている。
Swamp Trail
島の記念プラザに立つ17フィート(5m)の巨大な大統領の像は、その大きさと右手を上げているポーズから、テディー・ベアーのかわいらしさはなく、むしろ某国の首領様を彷彿させる。
セオドア・ルーズベルト像
(国立公園局のHP)