Cape Lookout National Seashore(ルックアウト岬国立海岸)は、
ハッテラス岬国立海岸に続き、アウターバンクスの南端を構成する海岸である。North Core Banks(ノース・コア・バンク)、South Core Banks(サウス・コア・バンク)、Shackleford Banks(シャックルフォード・バンク)の3つの砂州の島からなり、その延長は56マイル(90km)に達する。公園の名称となっているルックアウト岬は、サウス・コア・バンクスの南端に位置する岬である。
これら3つの砂州の島も微妙な大西洋の波と風と陸地とのせめぎあいのバランスで成り立っているが、ハッテラス岬国立海岸の島々より細く脆弱である。同様に大西洋岸には砂浜が広がり、それから草原、林が続き、西側には塩性湿地が広がっている。潮、波、風の加減によりその形は常に変化し続けている。大型のハリケーンの到来は、これらの島の形を変えてしまう危険性を孕んでいる。このような環境の中、1753年にはノース・コア・バンクの北端にPortsmouth(ポーツマス)の町が築かれ、1860年には622名が住んでいた。現在は廃墟となっているが、その跡が残されている。シャックルフォード・バンクの東端のDiamond City(ダイヤモンド・シティー)も捕鯨と漁業で栄え、1899年には人口500人を数えた。こちらは現在のその跡はほとんど残されていない。
アウターバンクスは昔から航海の難所として知られ、海賊黒ひげもシャックルフォード・バンク付近で旗艦Queen Anne’s Revenge(アン女王の復讐号)を失っている。ルックアウト岬の沖のLookout Shoal(ルックアウト砂州)はHorrible Headlands(ひどい突端)と呼ばれた。このため、ルックアウト岬に灯台が建てられているが、この灯台は、ハッテラス岬国立海岸のボディー島灯台とそっくりである。それもそのはずでボディー島灯台は、1859年に建てられたルックアウト岬灯台をモデルとして建てられたものである。両者の違いは、ボディー島灯台が横じまなのに対して、ルックアウト岬灯台がチェック模様を採用している点にある。このチェックはデザインだけでなく、黒のチェックは南北を指し、白のチェックは東西を示す役割も果たしている。ハッテラス岬灯台もルックアウト岬灯台のデザインに倣ったため、ルックアウト岬灯台は、他のアウターバンクスの灯台のモデルと言える。
ルックアウト岬灯台
シャックルフォード・バンクには、100頭余りの野生の馬が住んでいる。他の野生の馬と同様、やや小ぶりでポニーに近いが、400年前にスペイン人が持ち込んだ馬の子孫と考えられている。これらの馬はThe Foundation for Shackleford Horses(シャックルフォード馬財団)によって保護されている。
シャックルフォード島の野生の馬
これらの島へは本土からフェリーが出ており、ちょっとしたピクニックを行ったり、のんびりとした時間を過ごすのによい場所となっている。お金持ちの人々は自家用ボートで島に乗りつけ、内側の穏やかな海に停泊し、日光浴、海水浴、フィッシングなどを楽しんでいる。シーカヤックを楽しむ人も見られる。なお、ルックアウト岬国立海岸の海岸はアカウミガメの貴重な最北端の生息地となっている。
Piping Plover(フエコチドリ)の最南端の生息地でもある。
(国立公園局のHP)
(国立公園局の地図)(PDF)